物流から小売まで、幅広い業界の在庫管理業務で活用されているハンディターミナル。
バーコードをスキャンすることで、その製品のデータを収集できるので、目視よりも正確な作業を効率よくこなせます。
ハンディターミナルはさまざまなメーカーで開発されており、ラインナップも多種多様。
そのため、ハンディターミナルを導入したくても、機器選びでつまずいてしまったという方もいるのではないでしょうか。
ハンディターミナルを選ぶ際には、多角的な視点から「自社で使用するうえで不足がないか」と判断する必要があります。
そこで今回は、ハンディターミナル選定時にチェックしたい10のポイントについて解説します。
さらにおすすめの人気ハンディターミナルメーカー4選もご紹介。
これから導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハンディターミナル選定時にチェックしたい10のポイント
ポイント1.読み取り機能
読み取り機能をチェックする際には、業界独自のバーコード読み取りに対応しているかを確認しましょう。
海外からの入荷品の多い場合には、その国で流通しているバーコードを読み取れなければなりませんし、アパレル商品や医薬品にも独自のバーコードが存在します。
さらにスキャンのスピードや読み取れる距離感に問題がないかを確認することも重要です。
ポイント2.ディスプレイの大きさと見やすさ
作業環境で問題なくディスプレイが視認できるかをチェックします。
屋外の日差しの強い場所や薄暗い倉庫内などで作業する場合、明るさ調節ができるか、調節することで画面が見やすくなるかが注目ポイントです。
また、必要な情報が画面に見やすく表示されるか確認しましょう。
ポイント3.操作性
ハンディターミナルを長時間使用することを考慮すると、ボタンの押しやすさ、持ちやすさ、重さなどの操作性の確認は必須です。
確認の際には、できるだけ作業時と同じ服装・装備でいることをおすすめします。
たとえば作業中に軍手を着用しているという場合には、その状態で問題なく扱えるかをチェックしましょう。
素手や普段着で試して問題なくても、いざ現場に導入したら使いづらくて困ったという失敗例もありますので、現場目線での使用感を意識することが大切です。
ポイント4.堅牢性や防水性
落下や事故に備えて堅牢性がどの程度あるのかを確認しておくことも重要です。
ハンディターミナルは平均的に1.5メートル程度の落下耐性がありますが、最近では2~3メートルの落下試験をクリアしている製品も存在します。
特に製造業界や物流業界など、落下事故の可能性も高まるハードな状況下では、より堅牢性に優れた製品を選ぶとよいでしょう。
また、水気のある場所での作業では、防水性能も重要なチェックポイントです。
大型冷蔵庫内での作業の場合は、結露で水分が発生する可能性がありますので、防水性の高い製品をおすすめします。
ポイント5.通信方法
バーコードをスキャンすることで手軽にデータ収集を行えるハンディターミナルですが、データの管理・分析はPCと接続して行います。
PCとの接続方法としては、無線タイプとバッチタイプがあります。
無線タイプのハンディターミナルは、常に無線LANでPCと接続するため、読み取ったデータをすぐにPCに連携できるため、広い倉庫での入出荷管理など、「リアルタイムで数字を追ってミスを無くしたい」という場合には無線タイプがおすすめです。
それに対してバッチタイプは、PCに有線接続している通信ユニットにハンディターミナルを置き、ファイルを転送することでデータを連携します。
棚卸など、「今の倉庫内の在庫数をカウントする」などの目的で導入するにはバッチタイプがよいでしょう。即時性では無線タイプに劣りますが、コスト面を抑えられます。
<関連>「バッチ方式(バッチ機能)」とは?3分でわかるハンディターミナルの選び方
ポイント6.充電方法
ハンディターミナルは、操作性の観点からコードレスで使用でき、電源にはバッテリー(電池)を使用しています。
バッテリーの中にもいくつかのタイプがあるので、状況別に選択しましょう。
使用場所が社内や倉庫内に限られているなら、専用充電池タイプがよいでしょう。
このタイプには専用の充電台・ACアダプタがあるので、作業終了後に充電台に置いておけば、翌日には満充電のものを使用できます。
派遣技術者や営業担当など、主に外出先でハンディターミナルを使用する場合は乾電池タイプをおすすめします。
こちらは基本的には充電ができないのですが、外出先で充電が無くなってしまっても手軽に調達できるので、外回りの多い方にとっては安心です。
ポイント7.連続使用可能時間
ハンディターミナルのカタログに記載されている連続使用可能時間だけではなく、実際に作業現場で使用してみて、どの程度の時間にわたって使用できるかに着目しましょう。
長時間使用したい場合には、通常バッテリーよりも稼働時間が長くなる大容量バッテリー対応機種を選ぶことをおすすめします。
ポイント8.拡張性
ハンディターミナルの中には、容量が不足した際に、メモリーカードを挿入することで容量を増やせる機種もあります。
このように、起こりうる問題に対して周辺機器などで柔軟に対応できるかどうかも重要なポイントです。
ポイント9.レスポンス
レスポンスが遅いと、どんなにスキャンが高性能でも無駄な時間が発生してしまいます。
バッチタイプで、ある程度蓄積されたデータをPCに転送する際、レスポンスが悪くてスムーズにいかないと作業がはかどりませんよね。
無線タイプでも、通信が遅いせいでピッキングする商品情報がハンディターミナルに届かないとなると、時間だけが経過してしまい効率的ではありません。
そのため、通信速度にも注意を置きましょう。
ポイント10.アフターサポート
故障時の修理対応や代替品の支給など、アフターサポートは整っているか。
新しい技術を導入するうえで見逃せない視点です。
また継続的に使用していくことを考えると、増設時に同機種を安定的に供給してもらえるかも重要なポイントです。
ハンディターミナルおすすめの人気メーカー4選
ハンディターミナルを選ぶ際に、注目すべきポイントが押さえられたかと思います。
しかし、ハンディターミナルは多数のメーカーから発売されており、
「どのメーカーがいいの?」と悩んでいる方もいるかと思います。
そこで、ここからは、「ピピっとわかる!ハンディターミナルブログ」編集部がおすすめする、人気ハンディターミナルメーカー4選をご紹介していきます。
ざっくりと特徴を把握し、選定に役立てましょう。
KEYENCE(キーエンス)
キーエンスは、主にセンサや情報機器、電子顕微鏡などの開発・販売を行っている企業です。
キーエンス製のハンディターミナルは、動作の軽快さと安定性の高さで人気を呼んでおり、幅広い業界で使用されています。
多くの現場で使用されている人気製品BT-1000シリーズ
小型軽量モデルのBT-W70
大画面タイプで、操作性と視認性の両方を兼ね備えたBT-W100
などのラインナップが揃っています。
大手メーカーということで信頼性が高いのも人気の理由のひとつです。
DENSO WAVE(デンソーウェーブ)
バーコード・QRコードリーダの開発・設計・販売を行っているデンソーウェーブ。
物流の現場から医療・教育の場まで幅広い業界で導入されています。
クラス最大の2.0インチカラー液晶を搭載することで、コンパクトなボディでありながら、優れた視認性をも実現させたBHT-1500シリーズ
大画面で堅牢性にも優れたBHT-1400
などが人気です。
使う人を選ばないシンプルさも魅力です。
CASIO(カシオ)
カシオは電子辞書や電子楽器などを扱う日本の電気機器メーカーです。
ハンディターミナルの国内シェアNo.1を占めています。
堅牢性と操作性に加え、処理速度を兼ね備えたDT-X200-10J
さまざまな二次元コード/バーコードに対応しているDT-X8シリーズ
などの製品があります。
ほとんどの機種がAndroid OS搭載ということもあり、高い拡張性が人気を呼んでいます。
Welcat(ウェルキャット)
バーコード読取専門機器業者であるウェルキャットからも、多様な種類のハンディターミナルが開発・製造されています。
特に注目したいのが、時計のように手首に装着できるウェアラブルタイプのハンディターミナルです。
両手を使って作業できることで、より作業効率化を促します。
注目のウェアラブルタイプWIT-120-T
RFIDにも対応しているXIT-261-G
など、多様な製品が用意されています。
自社環境に適したハンディターミナルを選びましょう
ハンディターミナル選定時にチェックすべき10のポイントと、おすすめの人気メーカー4選について解説しました。
ハンディターミナルを選ぶ際には、すぐに購入を決めるのではなく、実際に作業現場に導入して試してみることをおすすめします。
カタログや営業担当者の話だけではわからないような、思いがけないデメリットが発覚するかもしれません。
各ハンディターミナルメーカーでは、約1週間無料でテスト機を貸し出すサービスを行っているので、そちらを積極的に利用しましょう。
また「1週間では判断しきれない!」という場合には、「ミガルレンタル」などのサービスを利用するのも選択肢のひとつです。
最長で6カ月間のレンタルができるので、じっくり試すことができます。
ただ導入するだけではなく、使いやすい製品を選ぶことで、作業効率は大幅に変わってきます。
選定のポイントをしっかり把握して、自社に最適なハンディターミナルを見つけましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いしましょう!
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